REPORT

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「Hello! We are 8otto(オットー)! 『NANO-MUGEN FESTIVAL』! 楽しい今をありがとう!」……『NANO-MUGEN』2日目は、ステージにくっきり浮かび上がったアフロヘアーのドラム&ヴォーカル=マエノソノマサキのそんな言葉で始まった。そして1曲目“RIWO”から鳴り響く、1音1音ごとにロックの奥底へ向けて邁進していくような濃密なビートとサウンド!
 ガレージ・ロックのざらっとしたラフさと、NYでの武者修行も経て獲得したタイトなグルーヴが一体となって、楽曲のBPMを遥かに上回る体感速度を生み出す。続いて“0zero”、そして「NEXT SONG IS A NEW SONG!」という声とともに、バンド初のシングル曲“Bomb”をドロップ。

「数字の8と書いてオットーです。初めましての人は初めまして。久しぶりの人は久しぶり。アジカンの人たち呼んでくれてありがとう。みなさんも、一緒に楽しんでいきましょう」とマエノソノ本人も言っていたように、ほとんどの人にとってはまだ「初めまして」だったはずの8ottoの音が、それでも曲が進むごとにじっくりしっかりフロアに浸透し、オーディエンスを揺らしていく。

「Next Song Is “China”」とドラムセットを離れてフロアを煽るマエノソノに手拍子がおこったり、初期ストロークスを思わせるガレージ・ロックンロールなインスト・ナンバー“Nu-Sieezze”があったり……日本のバンドでありながら限りなく洋楽的な空気感とサウンドが、洋邦混成フェスである『NANO-MUGEN』の場には不思議とマッチしている。ライヴの定番曲“Counter Creation”の、ラフな音空間にうねるベースとカッティングが絡むダルなパートから、一気に爆音炸裂! マエノソノ、ドラム・セットから立ち上がって叩きまくり絶叫!

 「ラスト・ソーング!」と叩きつけた“Voo Doo バウワー”ではTORA(B)にバスドラを任せ、「Say, HO! Say, ウワー!」と衝動だだ漏れでアリーナを煽りまくるマエノソノ! 「楽しい今をありがとう! 8ottoでした!」。不器用で、無骨で、だからこそクールなロックンロール。最高のオープニングをありがとう、8otto!

01.RIWO
02.0zero
03.Bomb
04.1977
05.REAL COKE'S FRIEND
06.レモンティー
07.China
08.Nu-Sieezze
09.Counter Creation
10.Voo Doo バウワー

文/高橋智樹 | 写真/TEPPEI