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14:47、菅原卓郎(Vo・G)の「9mm Parabellum Bulletです」という静かな挨拶に沸き上がった熱っぽい歓声が、彼ら4人への期待度の高さを窺わせる。メタルもハードコアもパンクも呑み込んで独自のエクストリーム・ロックを鳴らす9mm。ライヴハウス・クラスでも十分に衝撃的な彼らの音楽は、ここ横浜アリーナという大きな空間を得て格段に過激に鳴り響いている。

“(teenage)Disaster”の「よこはまあああっ!」という卓郎の絶叫に続き、地獄の底まで激走するような不穏なディスコ・ビートと爆撃のようなギターの轟音の正面衝突=“Discommunication”がアリーナ・サイズで炸裂!

 2アクト目にして会場は異様な熱気に包まれる。「本日はどうもありがとうございます!」と卓郎。「いつだったか、アジカンのみなさんに『呼んだら来てくれる?』って言われて。『ああ、行きますよ!』とか言ってたら、ほんとに呼んでもらえて……9mmの『mm』を『ナノメートル』にしようかと思ったくらい嬉しいです」というとぼけたMCをかまし、フロアの空気をほぐしていく。

「秋にアルバムを出すんですけど、秋なのに夏にぴったりのサマー・チューンを作ってしまったので……」と言ってデス・サーフな新曲“Surf”を披露。1曲進むごとに激しさを増す4人のプレイ。とりわけ“The World”でバックからの照明に浮かび上がる、かみじょう(Dr)の阿修羅のようなドラミングはそれだけでも芸術的!

 「またここでできるようにがんばります」と再び菅原。「今日は横浜の花火大会なんだってね。でも、みんなも今日は何かしら打ち上げにきたんでしょ?」と、この日何度も引用されることになる名MCの後、「まだまだいけるか! いけるかー!」と1万人を煽りまくって、“Supernova”“marvelous”“Talking Machine”を畳み掛ける。

「最後の曲です。ありがとうございました。最後まで楽しんでいってください」と演奏したスラッシュ・メタルの極致“Punishment”では中村和彦(B)がベースを放置してスティック持ってシンバル叩きまくり、滝(G)は複雑なフレーズを演奏しながら思うさま暴れまくる。圧巻のカオス!

01.(teenage)Disaster
02.Discommunication
03.Surf
04.The World
05.Supernova
06.marvelous
07.Talking Machine
08.Punishment

文/高橋智樹 | 写真/TEPPEI