REPORT

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2005年の『NANO-MUGEN』出演の翌年、紅一点ギタリスト=シャーロットが脱退、3人編成になって再びここ横浜アリーナに帰ってきた彼ら。でも、ダブルヘッダーでの出演となった『NANO-MUGEN FES. 2008』のステージの1日目、いきなり1曲目の“Meltdown”で叩きつけたサウンドが物語るのは「シャーロットの不在」ではなく、結成当初の布陣に戻った3人の「絶好調なASH」のとんでもない強度だった。

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ティム(Vo・G)のフライングVが繰り出すソリッドなギター・サウンドを軸として自らを再編成したASHは、かつての腕白ポップな佇まいから、鉄壁の3ピース・ロックンロール・バンドへと変貌を遂げている。立て続けに“Burn Burn Burn”、そしてコンピ盤にも収録されていた“You Can't Have It All”までのキラー・チューン3連続で1万人をがっちり掴んでいくASHの3人。いちいち「Cheers!」と高らかにフロアに呼びかけるティムも満足気だ。“Shining Light”を挟んで「Next song is dedicated to ASIAN KUNG-FU GENERATION!」とティム。曲はもちろん“Kung Fu”! さらに「This is a new song, called “ICHIBAN”!」と新曲まで披露するサプライズ!(爆音イントロと2ビートっぽいつんのめったビートが印象的な曲でした)。

さらに特効の炎がゆらめく中で極上のギター・バラード“END of THE WORLD”を高らかに歌い上げ……といった剛軟自在な演奏からも、彼ら3人がこの場を十二分に楽しんでいることがわかる。「This is the last song. Good Night!」(まだ17時前だが)というコールとともに、1日目は終了。

2日目は“Lose Control”で攻撃的な幕開け!
そしてシャーロット加入直後の、映画『普通じゃない』の主題歌として有名になった曲“A LIfe Less Ordinary”が! 切ないメロディとを抱き締めて疾走する真っ直ぐなバンド・サウンドが、当時の甘酸っぱさではないタフな響きをもって1万人を圧倒する。「How are you doing? ヨコハマー!」とフロアに呼びかけるティムのフライングVは、“Orpheus”では細かいオカズのフレーズもエモーション大噴火のようなサウンドも自在に操って、今日も火傷しそうに熱いロックを描き出していく。両日ともここでプレイできて嬉しいよ、というようなことを言いつつ“Kung Fu”をこの日も披露。最新アルバムのタイトル曲でもある、ストリングスをフィーチャーしたメロディアスなバラード・ナンバー“Twilight Of The Innocents”を最後に披露し、ステージ前で深々と挨拶する3人に、大きな歓声と拍手! ステージを去る前に「See you next time!」とティムは言っていた。

次の「来日」だけでなく、次の『NANO-MUGEN』も勝手に期待してしまう……そんな充実のアクトだった。

■7月20日
01.Meltdown
02.Burn Baby Burn
03.You Can't Have It All
04.Shining Light
05.Kung Fu
06.ICHIBAN
07.Orpheus
08.END of THE WORLD
09.GIRLS From MARS
10.Twilight Of The Innocents
■7月21日
01.Lose Control
02.Burn Baby Burn
03.You Can't Have It All
04.A Life Less Ordinary
05.Renegade Cavalcade
06.Orpheus
07.Kung Fu
08.END of THE WORLD
09.GIRLS From MARS
10.Twilight Of The Innocents
文/高橋智樹 | 写真/TEPPEI