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1日目も後半に差し掛かり、フロアの温度、テンション、ともにここからぐっと高くなったのを感じる。そう、『NANO-MUGEN』第2回から現在に至るまで出演し、文字通りアジカンと共闘関係を築きながらともに大きくなってきた日本ロック・シーンの至宝、ストレイテナー!
 “ALIBI”の人力ドラムンベースのようなシンペイのドラム・パターンから、サビで爆裂する日向のゴリゴリのベース&ホリエの清冽なギター・サウンド! そして続く“PLAY THE STAR GUITAR”の爆音に、フロアがたまらずジャンプの嵐! 

アジカン/エルレ/テナーの3組が、前回の『NANO-MUGEN』からそれぞれ幕張メッセでのワンマン・ライヴを成功させて、再びここ横浜アリーナに戻ってくる――というのが今回の『NANO-MUGEN』の1つの見所でもあったわけだが、その先陣を切る形となったテナーが、つい先ほどのASHの好演に挑むかのように、日本代表級のパワフルでソリッドな3ピースのバンド・サウンドを次々に放射していく。

「ストレイテナーと申します。よろしくお願いします」とホリエが短く挨拶し、“BERSERKER TUNE”で横アリをロックの業火に巻き込む! “KILLER TUNE[Natural Born Killer Tune Mix]”のタフなダンス・ビートも、ブレーキ壊れた暴走機関車のような“TRAIN”の性急なリズムも、もう歯止めがきかないほどにオーディエンスを高揚させていく。

再びホリエのMC。「ほぼ毎回出演しています、ストレイテナーと申します。俺らを呼ばなかったら怒られるんじゃないかぐらい気を遣われているフシもありますが、怒らないので(笑)。横浜CLUB24という小さいところでやってた頃から、こうして仲のいいバンドと一緒にやれるのは嬉しいです」という言葉に、熱い歓声が広がっていく。“AGAINST THE WALL”の静と動のコントラストも、“SIX DAY WONDER”の澱みのないピアノの響きも、3ピースのロック・ミュージックの可能性をとめどなく押し広げていく豊かさに満ちている。「あと3曲ほどやって帰ります」という声に「ええー!?」と起こったどよめきを、ラストの3曲“ETERNAL”“Melodic Storm”“DISCOGRAPHY”の怒濤の3曲が綺麗にかき消し、今年の『NANO-MUGEN』をさらにロックの高みへと持ち上げていく。もはや貫禄すら感じさせる圧倒的なアクトだった。

01.ALIBI
02.PLAY THE STAR GUITAR
03.SILVER STAR
04.BERSERKER TUNE
05.KILLER TUNE[Natural Born Killer Tune Mix]
06.TRAIN
07.AGAINST THE WALL
08.SIX DAY WONDER
09.ETERNAL
10.Melodic Storm
11.DISCOGRAPHY

文/高橋智樹 | 写真/TEPPEI