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2009.07.20(mon) 即日レポート!!
MC
7月20日。陽射しこそ強くないものの、1日目と同じくじっとりした暑さに包まれた『NANO-MUGEN FES. 2009』会場=横浜アリーナ。そのステージに、今日も山ちゃん&キヨシが登場! 「『NANO-MUGEN FES.』は音よし、お客さんよし、イジチキヨシ……」という山ちゃん渾身の(?)ダジャレや、「ここ、『NANO-MUGEN』ですよね? この中に、ドラクエやってる人がいたんですよ!(笑)」というキヨシのMCで軽くフロアをあっためてみせる。アリーナ全員の「5、4、3……」のカウントで、2日目キックオフ!
FARRAH
「コニチワ! ゲンキデスカ?……ワーオ!」と巨大なステージからフロアを見回して感嘆の声を上げるのは、FARRAHのJez。そう、この日は「Jez & Michelle from FARRAH」としてアコースティック・セットでの出演。しかし、たった2人とはいえ、“Stereotypes”の美麗ハーモニーで1万人をクラップへと導き、ラスト・ナンバー“No Reason Why”では会場一丸の大合唱を巻き起こしていく。「カンペキ! スバラシイ!」。満面の笑顔で大きく手を振ってステージを去っていく2人の姿が印象的だった。
サカナクション
2番手は初登場・サカナクション! 山口一郎の「『NANO-MUGEN』、みんな盛り上がっていくぞー!」と、“Ame(B)”の爆裂ギターとド派手な電子音の洪水で、たちまち会場を高揚感の土砂降りに変える。「ナ、ナノ……『NANO-MUGEN FES.』に呼んでくれてありがとうございます!」と、そのアグレッシヴな音とは裏腹に、緊張のあまり噛み噛みの初々しいMCまでが心地好い。ラスト“ナイトフィッシングイズグッド”のクライマックスは、それこそ「エモーショナル交響曲」というか「ダンス・ナンバーとゴスペルを最短距離で結んだ世界」というか……とにかく圧倒的な音楽体験だった。
MC
ここで登場したのがMCゴッチ&建ちゃん。「昨日は喜多さん、打ち上げで盛り上がりすぎちゃって。僕とマネージャーで家まで送っていって、クルマから降りた途端、喜多さん逆に歩いていきましたからね(笑)」とゴッチ。「喜多さんがどれだけ盛り上がるかっていうのが、このフェスの成功のバロメーターなんでね。昨日は海外のアーティストも、『ここのお客さんはいい意味でクレイジーだ』っつってたし」と、1日目の成功を改めてアナウンスするゴッチに、フロアから大歓声! 今日も「フォーッ!」の発声練習は万全! 満を持してNada Surfへバトンをつなぐ。
Nada Surf
マシュー/ダニエル/アイラの3人のリラックス具合のせいか、2日目のNada Surfのサウンドは昨日よりもよりしなやかかつダイナミックに響いてくる。“Happy Kid”の爽快なアンサンブル! 1万人のオーディエンスと一緒に右に左にステップを踏んで揺れてみせた“Inside Of Love”! そして、「ミンナ、サイコー!」というマシューの感謝の言葉から、最後は「●ァック・イット!」大合唱の爆音ロックンロール“Blankest Year”。嬉しさのあまりオーディエンスの写真を撮っていたマシューの「ニッポン、サイコー! ミンナ、チーズ!」の声で、Nada Surf@『NANO-MUGEN』は大団円!
 
THE YOUNG PUNX!
続いては、同じく2日連続登場のTHE YOUNG PUNX!。ルール無用のマッシュ・アップ集団としての選手宣誓的ナンバー“MASHitUP”で横浜アリーナを思いっきりタテに揺らしたり、“Wake Up, Make Up, Bring it up, Shake up”でハルがショルキーぶいぶい弾きまくる一方でキャメロンはトサカのオバケみたいなマスクかぶってゴリゴリのトラックを紡ぎ出していたり、Count Bass Dを迎えての“Ready For The Fight”で横浜アリーナを音楽のバトルフィールドに変えたり……2日目のダンス・ステージもやつらの思いのままだ!
ユニコーン
そして……16年ぶりの始動からあっという間に日本ロック最前線に返り咲いたユニコーン! 1曲目“ひまわり”で熱気あふれるフロアとがっちりじっくりギアを合わせると、テッシーのハード・ロックなギターから、なんと全国ツアーでもやっていなかった“服部”! ハンド・マイクでがんがん歌い上げる民生に、フロアも「楽勝! 楽勝!」と合唱の嵐。「呼んでいただいてありがとうございます。こんな大きなところ、初めてなんで、慣れてないもんで……」と含み笑いで大嘘ぶっこく民生。“すばらしい日々”に1万人が感極まったところで、阿部B“WAO!”熱唱! さらに“ヒゲとボイン”“HELLO”と新旧アンセム連射! 全8曲、何も気負わず背負わず、それでいて歓喜のど真ん中を鷲摑みにするような、最高のアクトだった。
MC
ここでまたもMC山ちゃん&キヨシがオン・ステージ。「自分たちのフェスで、“服部”が聴けるとは思いませんでしたよ」とキヨシ。「『NANO-MUGEN』といえば、音よし、照明よし、お客さんよし……イジチキヨシ」と脱力フレーズを放つのはもちろん山ちゃん。キヨシ「この後はベン・フォールズですよ! 昨日も素晴らしかったね! ピアノを打楽器のように弾いてて」 山ちゃん「ベンはピアノもそうですけど、歌も素晴らしいんですよね。歌よし、音よし……イジチキヨシ」。……。あまりのダジャレ連打っぷりに、そろそろフロアにもツボにハマる人が現れ始めたようだ。
Ben Folds
Ben Foldsは2日目もすごい! ひとり交響曲的スケールと時速300km大暴走的なスリルをもって響き渡った“Effington”! クールなジャズの皮を引き裂いて「●ァーック!」という絶叫とロックの衝動が顔を出したような“Rocking The Suburbs”!(しかも、昨日とイントロがまるで別もの!)。昨日同様“Not The Same”では超わがまま指揮者となって「NANO-MUGEN合唱団」こと観客を翻弄してみせる。昨日はここで終わりだったが、「もう1曲」という仕草のベン。そして……待ってました、ベン・フォールズ・ファイヴ時代の超名曲“Philosophy”! そのままエンディングではピアノ超速弾きで、ベンはベンでもベンチャーズと化して終了! 「ニホン、サイコー!」の絶叫が、アリーナの空間にでっかく響き渡った。
スピッツ
続いて、もう1組の邦楽大先輩バンド=スピッツ! のっけから“今”“放浪カモメはどこまでも”とロック・モードでかっ飛ばす! 「俺ら、ライヴ自体が久しぶりなので、ドキドキしてるんですけど……お元気ですか?」というマサムネの控えめなMCとは一転、ハイトーン・ヴォイスで歌い上げる“チェリー”“スパイダー”の激スウィートなメロディであっさり会場一丸の大合唱を巻き起こしていく。“ガーベラ”のテツヤのソロが高揚した空気をそっと包んで空へ返すように響き、“俺のすべて”ではマサムネがハンドマイクでステージ狭しと歌い回り、田村はマイク・スタンドでベースをがんがん打ち鳴らす! 「楽しかったです! どうもありがとうございました!」とマサムネ。8つの曲が、アリーナをあっという間に吹き抜けていった。
MC
ここでMCゴッチ&建ちゃん登場! ゴッチ「今日、上からずっと見てるんですけど……今日のお客さんは、『クイズ!年の差なんて』で言うと、アダルト・チームだね!」 キヨシ「そんなことないよ!」 ゴッチ「そんなことあるよ! 転換中、スタンディング・エリアで座ってる人いるもん(笑)」というやりとりを挟みつつ、出演キャンセルになってしまったManic Street Preachersのライヴ映像をこの日も上映。今年の『NANO-MUGEN』も残すところあと2アクト……という感傷が、そろそろ会場に漂い始めている。
Hard-Fi
向かって左側のステージに、トリ前を飾るHard-Fiが登場! 悶えるように身体を震わせて“Gotta Reason”を歌い上げるリチャードの熱気がフロアに伝染、ハンドクラップを巻き起こしていく。ピアノの響きとメロディアスなハモリが空気を震わせる新曲“KIller Sounds”。そして、21世紀の労働者階級アンセム“Suburban Knights”! ねっとりしたグルーヴと「ウォーオーオー」のコーラスが、祝祭空間としてのフェスを反骨ロックの空間に変えていく。最後、フロアと「フォーッ!」のコール&レスポンスを繰り広げながら“Living For The Weekend”へ突入。荒馬のようなビートがアリーナ狭しと跳ね回り……Hard-Fiのアクトが終了。さあ、いよいよ大詰めだ。
ASIAN KUNG-FU GENERATION




19:55、ついに大トリを飾るASIAN KUNG-FU GENERATIONの登場! 昨日と同じく、壮大なインスト・パートから1曲目“夜のコール”へ。そして、ここから今日は“稲村ケ崎ジェーン”の衝動炸裂しまくりポップ・ビートへ! 今年の『NANO-MUGEN』最後の時間を楽しみきろうという会場の空気を、ラウドなギター・サウンドが面白いように煽っていく。さらに“リライト”“羅針盤”“絵画教室”まで一気に、爆風のように駆け抜けていった。
「今日は特にね、大物ばっかりでどうしようかなって思ったり(笑)。あと、哀しいハプニングもあって、マニックスが出れなかったりしてて……でも、みんなが映像を観ながら、拍手したりしてくれてたりして。それが嬉しかったりしてね」というゴッチのMCに、大きな歓声が湧き起こる。「大丈夫? 今日、たくさんやるよ!」と、“夏の日、残像”“藤沢ルーザー”“遥か彼方”といった新旧の楽曲を超弩級のスケールでプレイしていく4人。最高だ。
「なんか、もっと、もっとね、空気がね、横浜アリーナから漏れ出して、よくなるといいね! 普段の生活がさ。願わくは、洋楽とか邦楽とか、いろんなジャンルの垣根がぶっ壊れて、音楽は音楽として楽しめるようになるまで、このフェスは続けたいと思います」と、ゴッチは終盤のMCで語っていた。働きまくりの2008年を経てなお、ロックへの愛情と危機感をMAXに振り切って走り続けるアジカンならではの、リアルな言葉だ。
がっつり14曲にわたって披露し、ステージを降りた4人。しかし、鳴りやまないアンコールの拍手! そして、再び4人がステージに登場。「出演してくれたバンドに、もう一度大きな拍手をください!」とゴッチ。「このフェスが終わったら、またスタジオに入って、新しいアルバムを作るんで。またどっかで会いましょう!」。正真正銘のラスト・ナンバーは“新しい世界”。疾走するビートとともに、アジカンの4人と満場のオーディエンスが一気にロックの絶頂に登り詰める! 高々と舞い上がる紙吹雪の中、キヨシが、山田が、喜多が、そしてゴッチが、深々とフロアに一礼し、退場……今年の『NANO-MUGEN』のすべてが。終わった。ヴィジョンには「SEE YOU!」の文字ーー。そう、またここで会える日のために、明日からも音楽を、ロックを愛し続けてください!
文/高橋智樹

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