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ASIAN KUNG-FU GENERATION [JP]
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今年の1日目は初の「脱・『NANO-MUGEN』ヘッドライナー」としての出演となったアジカン。
ゆったりとうねる高波のような力強いインストのアンサンブルでフロアとがっちりギアを合わせた4人。
1曲目に披露したのは、『NANO-MUGEN COMPILATION』収録の新曲“夜のコール”。《想うだけではきっと 僕ら 何処へも行けないよ》という言葉とともにどこまでも強く遠くドライヴするような、アグレッシヴな名曲だ。そして、いつになく性急かつダイレクトに叩きつけられた“アフターダーク”に、オーディエンスは拳を突き上げ、歌い、跳ぶ! 横浜アリーナの地面が揺れる揺れる!
「それじゃあ……『やってほしい曲アンケート』で1位になった曲をやります!」というゴッチのMCとともに披露したのは、06年のカップリング集『フィードバックファイル』に当時未発表曲として収録された“絵画教室”。そして、ライヴで幾度となく聴き覚えのある壮大なキメとともに“フラッシュバック”と、そこからの流れで“未来の破片”! 6年前にメジャー・デビューを飾ったこの曲が、比べ物にならないくらいタフな楽曲になって今、ここで鳴っている。最高だ。
「どうもありがとうございます」と再びゴッチ。「マニック・ストリート・プリーチャーズが出れなかったのは相当ショックだったんですよね。フェスって普通払い戻ししないんですけど、マニックス好きな人のために払い戻しをしようと決断したんですけど……これだけ多くの人が集まってくれて、ありがとうございます。あと、さっきPV流れてた時に、拍手してくれる人がいたりして。ありがとうございます」と声を詰まらせる。「勝手に感極まってますけど……こういうフェスにしたかったんで。今、日本にはフェスがたくさんあって、フェス・バブルとか言われてますけど。『NANO-MUGEN』はそのどれとも違う感じで……感激してます。ほんとにありがとう」。大きな拍手と歓声が、横浜アリーナいっぱいに広がっていく。
“リライト”ではフロア一丸の大合唱が巻き起こり、“君という花”ではアリーナが再び大きく揺れる。
「今日は、まだまだこの後、今日の大トリのストレイテナーが残っておりまして。リハーサル見てきたんですけど、すげえよかったんで。楽しみにしててください。1バンドいなくなったんで、我々は時間を増やしました(笑)。ここからは増やした分です! 楽しんで帰ってください! どうもありがとう!」とゴッチは語っていたが、その「主催者として穴をカバーする」という意識以上に、今日のアジカンの演奏にはロックの核心が宿ってしまっている感覚があった。“Re:Re:”“ワールド ワールド ワールド”&“新しい世界”まで実に全17曲。堂々のアクトだった。

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が、2日目の4人のプレイは、1日目の臨界点をあっさりと更新するタイトさとスケール感を持っていた。
昨日と同じく、壮大なインスト・パートから1曲目“夜のコール”、そして、ここから今日は“稲村ケ崎ジェーン”の若気と衝動炸裂しまくりなポップ・ビートへ! 続く“リライト”がさらにオーディエンスの熱気に火をつけ、フロアが揺れる揺れる! そこへ追い討ちをかけるように“羅針盤”のぶっといギター・コードと“絵画教室”の切迫感の連射!
「今日もこんなにたくさんの人が集まっていただきまして、ありがとうございます!」とゴッチ。この日もマニックスのキャンセルについて触れた後で、「1日違うと、お客さんの空気違うのが面白いよね。俺、さっき(Hard-Fi前のMCで)『今日の観客はアダルト・チーム』って失礼なこと言ったけど、撤回しないよ?」と笑うゴッチ。「大丈夫? ついてこれる? 今日、たくさんやるよ!」という言葉とともに鳴り響く清冽なアルペジオ……1stアルバム『君繋ファイブエム』から“夏の日、残像”! そこから“藤沢ルーザー”“遥か彼方”のストレートなサウンドが超弩級のスケールで響き渡る! そして、“遥か彼方”後半の3拍子部分のリズムを引きずって、“暗号のワルツ”の静謐なイントロへ。パズルのように交錯するビートの森を抜けて、高揚の高嶺へと急スピードで駆け上っていくようなマジカルな曲だ。
「なんか、もっと、もっとね、空気がね、横浜アリーナから漏れ出して、よくなるといいね! 普段の生活がさ。まあ、音楽なんて、よくわからない『何か』を分かち合うためにあるんだと思うんだけど……願わくは、洋楽とか邦楽とか、いろんなジャンルの垣根がぶっ壊れて、音楽は音楽として楽しめるようになるまで、このフェスは続けたいと思います」。会場にあふれる大きな拍手!
本編最後の“転がる岩、君に朝が降る”を真摯に歌い上げ、4人はステージを後にした。割れんばかりのアンコールの拍手!
そして、再び4人がステージに姿を見せる。「楽しい瞬間が、何年も続きますように!」と“ループ&ループ”。「出演してくれたバンドに、もう一度大きな拍手をください! このフェスが終わったら、またスタジオに入って、新しいアルバムを作るんで。またどっかで会いましょう!」とゴッチ。正真正銘のラスト2曲は“ワールド ワールド ワールド”と“新しい世界”。疾走するビートとともに、横浜アリーナ全体が一気にロックの絶頂に登り詰めて……終了。2日間の祝祭の終わりと、さらなるロックの「その先」の世界を同時に真っ白に照射するような、圧巻のステージだった。

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■7月19日
01.夜のコール
02.アフターダーク
03.センスレス
04.アンダースタンド
05.嘘とワンダーランド
06.絵画教室
07.フラッシュバック
08.未来の破片
09.N.G.S
10.No.9
11.惑星
12.藤沢ルーザー
13.リライト
14.君という花
15.Re:Re:
16.ワールド ワールド ワールド
17.新しい世界
■7月20日
01.夜のコール
02.稲村ケ崎ジェーン
03.リライト
04.羅針盤
05.絵画教室
06.夏の日、残像
07.藤沢ルーザー
08.遥か彼方
09.暗号のワルツ
10.惑星
11.Re:Re:
12.アンダースタンド
13.君という花
14.転がる岩、君に朝が降る
EC1.ループ&ループ
EC2.ワールド ワールド ワールド
EC3.新しい世界

文/高橋智樹 | 写真/TEPPEI