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ねごと [JP]

report

2日間トップバッターの大役を全身で楽しもうとするように、並んで手をつないでポーズを決め、弾けんばかりの笑顔を見せる4人。そして、巨大なアリーナの空間に最初に響き渡るのは“インストゥルメンタル”。蒼山幸子の静かなピアノの旋律と歌から、力強く雄大なアンサンブルへと雪崩れ込む! 「こんにちは、ねごとです!」というMCを挟んで、清冽さとタフさを兼ね備えた“透き通る衝動”の沙田瑞紀のギター・サウンドが鳴り響く頃には、すでに満員のフロアを「ねごとの場所」に変えてみせたのはさすがだ。「えーみなさん、はじめまして。1日目、一番手を務めさせていただきますねごとです! 今日はみんなで、いい夢を見ましょう!」と幸子。「一昨年お客さんとして来てまして。『いつか出てたらいいなあ』って言ってたら、2年後、ここに立ってました! 高校に入って、『バンドやろう』ってなった時に、アジカンさんのコピーもやってて。“電波塔”とか“N.G.S”とかやってました!」と、その堂々としたサウンドとは一転、若さあふれるMCで会場を和ませる。「みなさん、まだお昼ですけど、宇宙に行きたいと思いませんか?」と、藤咲佑の極太ベースのイントロから“ループ”の強靭なビートと♪ループ、ループの目映いサビでフロアにハンドウェーブを巻き起こし、“七夕”の怒濤のオルタナ・サウンドでロックの銀河を描き出し……と、そのポテンシャルをでっかく解き放っていく。「ねごとは7月13日、1stフルアルバムをリリースしました! 17歳からの3年間をぎゅっと籠めたアルバムです!」という幸子の声から、リリース間もないシングル曲“メルシールー”の凛とした歌へ。キラキラもギラギラも詰め込んだギター、迷いなくイメージの先へ突き進む澤村小夜子のドラム……そんな鮮烈なステージを締め括ったのは、彼女たちの存在を広く知らしめたナンバー“カロン”。鮮烈なメロディに限りない推進力を与えていく、強靭なアンサンブル! 日本のロックを新たな次元へ進める新鋭……その瑞々しい才気が、ひときわまぶしいサウンドスケープとなって結実したひとときだった。

■7月16日
  • 01.インストゥルメンタル(Short ver.)
  • 02.透き通る衝動
  • 03.ループ
  • 04.七夕
  • 05.メルシールー
  • 06.カロン
文/高橋智樹 | 写真/古溪一道