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2012.07.16 (National Holiday) 即日レポート!!

MC
キヨシ&山田「おーはよーうございまーす!」
山田「昨日の横浜アリーナもすごい盛り上がりでした!」
キヨシ「俺の横浜アリーナもめちゃめちゃ盛り上がってます!」
山田「……昨日から続いてますね、『俺の』シリーズ(笑)。フードのメニューとかもプロデュースしたりしてますよね?」
キヨシ「ええ。俺のKiyoshi's Barもね、朝からギンギンですよ!」
山田「……怒りますよ! 俺のレッドブルが!」
 ーー初日を上回る快晴に恵まれたここ横浜アリーナ、『NANO-MUGEN FES. 2012』開演MCのキヨシ&山田コンビも朝から絶好調。この日はアリーナだけで11組のアーティストが登場、さらにゲストリアムでもPHONO TONESなどのライブが、と盛り沢山! 出演アーティストの名前を1組ずつコールする前説コンビの声が、朝から熱い歓声を呼び起こしていく。そして2日目、いよいよ開演!
Chara
2日目トップバッターはChara! 「起きてる?」と横浜アリーナに悪戯っぽく微笑みかけながら、“しましまのバンビ”でイノセントな表情を覗かせたところから一転、“オルタナ・ガールフレンド”ではパワフルなツイン・ドラムの響きをいとも軽やかに乗りこなすように歌い上げていく。「懐かしい曲も……」と言いつつ、“Junior Sweet(Sakuragarian Dub Mix)”“ Swallowtail Butterfly ~あいのうた~”を披露。「愛だよね。このイベントも、愛だよね?」とフランクにオーディエンスに語りかけつつ、横浜アリーナをゆっくりじっくり「Charaの空間」に変えていく。「新曲歌っちゃっていい?」と歌い始めたのは“プラネット”。壮絶なまでのCharaの熱唱! そして、「今日最後の曲!」というCharaの声とともに流れ始めたのは“やさしい気持ち”だった。『NANO-MUGEN FES. 2012』2日目、最高のスタートだ。
片平里菜
Charaがステージを去った後、アコースティック・ステージに登場したのは、福島出身の19歳シンガーソングライター・片平里菜。アコギ弾き語りスタイルでの“夏の夜”1曲で、その清冽で伸びやかな歌の力を存分に披露ーーしたところで、アジカン喜多&山田はじめサポート・メンバーを迎えてバンド・スタイルへ。疾走感あふれるバンドのグルーヴを、彼女の歌がさらに夏風のように高揚感の向こう側へと誘っていく。最後は、アジカン山田がプロデュースを手掛けたコンピ盤収録曲“始まりに”。ゆったりとしたバラード越しに広がる雄大な風景ーーたった3曲の出演ではあったが、「未完の大器」の片鱗をアピールするのには十分なアクトだった。
10-FEET
続いてはーー自らがオーガナイズするロック・フェス『京都大作戦』を今年も大成功させたばかりの10-FEET、満を持して『NANO-MUGEN』初登場! 「アジカンありがとう! 10-FEETです! いくぞー! ぶっ飛ばすぞー!」というTAKUMAの絶叫から流れ込んだ1曲目“RIVER”の時点で、もうクライマックス級の爆発力。“under the umber shine”のコール&レスポンス! “goes on”では横アリごとでっかく揺さぶるジャンプ! シリアスな困難も悲しみも突き抜けるエネルギーそのもののような“その向こうへ”も、「アジカンのみんなとは、去年の3月のあの日をきっかけにいろいろ話すようになって。お互いの最大公約数、最小公倍数、見つけることができました。『THE FUTURE TIMES』を読んでたら、あらゆるところから彼らの優しさとか強さが伝わってくる」(TAKUMA)という言葉とともに披露された新曲“シガードッグ”も、最後の“1sec.”も、「今」を憂い「今」と闘うロック・バンドの決意に満ちていた。
MATES OF STATE
アコースティック・ステージには、昨日に引き続いての出演となるUSカンザス州の夫婦デュオ=Mates Of Stateの姿が。“My Only Offer”から“Ha Ha”“The Re-Arranger”などを経てラストの“Palomino”へ至る流れの中で、鍵盤を奏でしなやかに歌い上げるコリーも、ドラムを叩きながらジェイソンもサポートの2人も、1日目よりもこの場所の空気感をよりリラックスして楽しんでいることが、そのポップでアグレッシブなサウンドの1つ1つからも伝わってくる。オーディエンスにポーズをとってもらい記念撮影をするコリー。“Palomino”の熱い余韻の中、満足げにスティックをアリーナに投げ渡すジェイソン。洋邦の垣根なく音を楽しむ『NANO-MUGEN』ならではの幸福なコミュニケーションがそこにはあった。
チャットモンチー
直前に出演していたMates Of State“Proofs”をSEに登場したのはチャットモンチー。1曲目はやはり“Proofs”を日本語詞でカバーした“夢みたいだ”でスタート。「Mates Of Stateさんの曲をカバーさせてもらってて。今日めっちゃ嬉しいです!」と晃子。6年ぶりの『NANO-MUGEN』登場となる彼女たち、もちろん2人編成になってからは初出演。だが、“ハテナ”での到底2人バンドとは思えない音圧といい、“テルマエ・ロマン”で咲き乱れるアンサンブルの華やかさといい、2人で次々に楽器を持ち替えパートをコンバートしていく自由度の高さといい、今のチャットは世の「2人バンド」の常識を大きく越えている。今の2人のプロデューサーでもあるゴッチとともに“きらきらひかれ”“カリソメソッド”を披露したり、名曲“染まるよ”を絵莉子ドラム編成でじっくり聴かせたり……ラストの“満月に吠えろ”まで、驚きと発見と感激だらけの40分だった。
PHONO TONES@GUESTReALM
チャットのステージが終わる頃、4階ゲストリアムではPHONO TONESのアクトがスタートーーと思ったら、あっという間に今日も入場規制がかかる大入り状態に。“Summer Has Gone”など楽曲を次々と披露しつつ、インドアのゲストリアム空間を夏風吹き抜ける開放的な場所へと塗り替えていく。ジャジーなシャッフル・ビートから心躍るダンス・ビートまで軽やかに繰り出すキヨシ。ゴリッと芯の通った猪股のベースライン。華麗なペダル・スチールさばきでサウンドに浮遊感を与えていく宮下。音楽の喜びを体現するような飯塚のピアノ・プレイ……インスト・ミュージックの可能性そのもののようなプレシャスな響きが、この場所には確かにあった。
MC
ここでゴッチ&喜多コンビが登場。「2日目も中盤戦になりましたけど、盛り上がってますか!」と呼びかける喜多に続けて、ゴッチ「僕が作ってる『THE FUTURE TIMES』、自腹で作ってる新聞があるんで、ぜひ持って帰ってください! あと、今日の照明は太陽光と蓄電池でまかなってます。まだ割高ではあるんですけど、アジカンとしても投資していきましょうっていうことで」。続いてのファウンテンズ2度目の登場に際して、「噂では、喜多さんもちょろりと登場するとか……」とゴッチ。「本当にちょろりかもしれないですけど」と照れる喜多。ゴッチ気合いの四股、今日も冴える!
FOUNTAINS OF WAYNE
そしてFOUNTAINS OF WAYNE! 2日目はオープニング・ナンバーを“Little Red Light”にチェンジしたかと思えば、そこから“Someone To Love”“Denise”、さらに“Survival Car”へとつなげて、ハード・エッジな爆発力とドライブ感を勢いよくぶん回していく。一方で、“The Summer Place”から“Valley Winter Song”、喜多&キヨシ&岩崎愛の3人がマラカス振りつつコーラスに参加した“Hey Julie”と、クリスのアコギで朗らかな表情を描き出すコーナーがあったりーーファウンテンズの音楽が持つ色彩感をよりコントラスト鮮やかに提示する内容だった。“A Dip In The Ocean”“No Better Place”など、1日目には演奏していなかった曲も多数盛り込んで、2日間トータルでその力量と存在感を示してくれた。熱気あふれるフロアを写真に収めていたクリスの表情からも、その満足感が十二分に窺えた。
MC
ここで再び前説MC、今度は喜多&山田コンビ@アコースティック・ステージ。「座席に荷物を置いてる人が多いみたいなので……」と注意を呼びかけていく。「次はMOTION CITY SOUNDTRACK! 今日はレアなアコースティック・ステージということで……」と、実に7年越しの念願かなって招聘実現したMCSへのバトンをつないでいく。
MOTION CITY SOUNDTRACK
そして、エレキ・ギターをアコギに、ドラム・スティックをカホンに持ち替えたMOTION CITY SOUNDTRACK! とはいえ、もともと美メロ名曲揃いのMCSのこと。むしろ爆音の武装なしで彼らのメロディを堪能することができる、実に貴重な機会となった。特に、アコースティックな響きによってまったく別種のポップ感を生み出した“True Romance”や、アコギの音色が切なさや寂しさを浮き彫りにする“Fell In Love Without You”は、彼らの新たな表情を見せてくれるものだった。「アリガトゴザイマス! ミンナゲンキ? Alright!」とか「ネグセ、トゥデイ!」とか微妙に日本語MCを混ぜ込んで会場を沸かせていくジャスティンのユーモアも絶品。ラスト“My Favorite Accident”の前に「ウィ・ホープ・トゥ・カム・バック・スーン!」と意気揚々と言っていたジャスティンに、熱い拍手喝采が寄せられた。
岩崎愛&Kiyoshi@GUESTReALM
一方、4階ゲストリアムでは、さっきファウンテンズのステージにも登場した岩崎愛のアクトが。1人での弾き語りでオーディエンスをじっくり魅了した後、「みなさんお待ちかねの、最強のスケッター(助っ人)を……」とキヨシ&宮下を呼び込んで、1日目同様にペダル・スチール&カホンをバックに、たおやかな歌を届けていく岩崎。“花束”といい、コンピ盤収録曲“東京LIFE”といい、灰色の日常も思い通りにならない人生も、彼女の歌声とともに空に放たれた瞬間に、ふわっと軽くやわらかい質感を持ったものとして感じられてくる。シンプルなフォーマットによる演奏が逆に、彼女の歌世界の本質をくっきりと見せてくれていた。
the HIATUS
再びアリーナに戻ると、“The Flare”からthe HIATUSのステージがスタート! ロックの/音楽の極限を更新し、自分たちの楽曲とアンサンブルをも常に研ぎ澄ませ続ける彼らの表現は、触れるたびに「最新型」であり「最強型」であるーーということを、これまでにもここ『NANO-MUGEN』で示してくれている彼ら。だが、“Deerhounds”“Superblock”といった最新アルバム『A World Of Pandemonium』の、アコースティックな響き越しに緻密かつ壮麗な音世界を構築する楽曲群のみならず、“My Own Worst Enemy” “Insomnia”といった2nd『ANOMALY』の楽曲も、静と動のダイナミクス、楽器同士の響き合い方やフレーズの意味性などを真摯にブラッシュアップし続けていることが、そのサウンドからもリアルに伝わってくる。「いつも呼んでくれてありがとう! 今回の『THE FUTURE TIMES』もさ、うわぁいい新聞になってるなぁと思ってポロッと涙がこぼれたよ!」という細美武士の言葉が、そしてラストの“On Your Way Home”の誇らしいくらいに晴れやかな音像が、『NANO-MUGEN』とthe HIATUSの絆そのもののように響き渡り、ひときわ熱い拍手と歓声を巻き起こしていった。
80KIDZ〔LIVE SET〕
早くも『NANO-MUGEN FES. 2012』2日目も終盤……という寂寞感を気持ちよく吹っ飛ばすように、ダンス・ステージから響く80KIDZの強靭な爆音! この日はバンド・セットで『NANO-MUGEN』に臨んだAli&とJUN。タッピングと4つ打ちビートで唯一無二のダンス空間を描き出し、“Mind The Gap”ではマシン・ヴォイスとレーザー光線飛び交う爆裂エレクトロ・ワールドを生み出し、といったハイブリッドかつハイパーなプレイでフロアを揺らす一方で、“Turbo Twin”では熱く燃え盛るギター・サウンドで大爆走してみせたり、“Apollo 80”ではシューゲイズ的なロックの宇宙を提示したりもする。インスト主体の表現だからこそ鳴らすことのできる、世界中を揺さぶる訴求力とダイナミズムーー身体も心も震わせる音像の数々からは、そんなロマンがびりびりと伝わってきた。
Keishi Tanaka@GUESTReALM
4階ゲストリアムの2日間最後のアクトとして登場したのは、ex.Riddim SaunterのKeishi Tanaka。「1週間前に、ゴッチさんと呑む機会がありまして、『NANO-MUGEN』の話になりまして。『ギター持って来りゃいいじゃん』って……それでここに立ってますKeishi Tanakaです(笑)。そういう規模のイベントじゃないんだけど……」と言いつつ、アコギ弾き語りスタイルで“夜の終わり”などの楽曲を淡々と、しかし滋味深く響かせていく。リディムのアコースティック感とは別種の、静謐でオーガニックな音世界が、終わりの近づく『NANO-MUGEN』の空間をあたたかく包み込んでいった。
SUEDE
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アジカン前説MC最後は喜多&山田コンビ。「それでは、いよいよ呼び込みますので!」(喜多)というコールでバトンを渡すのは、80年代末からUKロックの歴史を体現してきた巨星SUEDE! ステージに登場するやいなや、大きく手を広げてクラップを求めているのは、紛れもなくあのブレット・アンダーソン! 力強いリズムに合わせてアグレッシブに身体をくねらせながら、ブレットが“She”を艶やかに歌い上げている。SUEDEが、今この場所に立っているーーという感激に浸る間もなく、名曲“Trash”投下である。華やかで艶やかなメロディと佇まいの裏側に、拭いようのない背徳の薫りをまといながら、その歌とサウンドが何よりロック・フェスの祝祭感をも同時に立ち昇らせていく。「グッド・イブニング、ヨコハマ! How are you doing?」と笑顔で呼びかけるブレット。ロック・オーケストラと呼びたいくらいの“Metal Mickey”の壮麗な音世界。“New Generation”のサビで広がった大きなシンガロングの輪。ブレットがステージを駆け下りてスタンディング・エリアに駆け寄ったラスト“Beautiful Ones”まで1時間、実に全15曲! 「貫禄のアクト」と呼ぶにはあまりに瑞々しくヴィヴィッドな感動を、彼らは『NANO-MUGEN』に残してくれた。
ASIAN KUNG-FU GENERATION
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20:25、ついに2日間のグランド・フィナーレとなるASIAN KUNG-FU GENERATIONのアクトが始まった。“サイレン”のシリアスなアンサンブルから、“マジックディスク”のスリリングなビートへ。「最後まで楽しんでいってください!」というゴッチのコールを挟んで演奏するのは“ソラニン”! “君の街まで”“ループ&ループ”“リライト”、さらには新曲“それでは、また明日”“N2”“夜を越えて”“エントランス”と「今」を揺さぶるメッセージの塊のような選曲! 「去年ぐらいから、人と交流するのって、身体で感じないとダメだなあって思って」とゴッチ。「『俺、いつか死ぬんだなあ』って。今35歳なんだけど、『折り返したなあ』っていう感じがあって。だからこそ、一瞬でも『いいなあ』っていう感じを共有できることをありがたく思います」……ゴッチの真摯な想いに応えるように、会場中に熱い拍手が広がる。

真っ白な照明以上に目映く胸を照らした“惑星”のポジティビティ。その高揚感を、“アンダースタンド”“君という花”で横浜アリーナ丸ごと揺さぶるほどの一体感へと編み上げていくアジカン。「こうやって、どんどん音楽好きの領土を拡大していけば、間違いなくいい国になると思います」とゴッチ。本編最後の“マーチングバンド”が、どこまでも力強く鳴り響いた。

アンコールを求める声に応えて、アジカンの4人……と、チャットモンチー・橋本絵莉子が登場。曲はもちろん“All right part2”! 「ありがとうございます! 今日1日通して、『俺、音楽好きだなあ』って改めて思いました」と、絵莉子を見送った後で虚飾なき想いを明かすゴッチ。カラフルなコーラスとダンサーのパフォーマンスが祝祭の終わりの場面を強く輝かせた“踵で愛を打ち鳴らせ”。そしてーー「また会いましょう!」のゴッチのコールとともに鳴らされた正真正銘のラスト・ナンバーは“転がる岩、君に朝が降る”。最高の2日間は、こうして幕を閉じた。ありがとうアジカン! ありがとうみなさん! そしてきっとまた、この場所で会いましょう!

文/高橋智樹