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Dr.DOWNER [JP]
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これまでにも『NANO-MUGEN CIRCUIT』で存在感を示しまくってきたDr.DOWNER、『NANO-MUGEN FES.2012』トップバッターとして横浜アリーナ初登場! どうにも抑えきれない衝動がそのまま轟々たるディストーション・サウンドと爆裂ビートに姿を変えたような“さよならティーンエイジ”で、いきなり広大な会場を圧倒しながら激情の渦に巻き込んでみせる。聴く者すべての心の横っ面を張り飛ばすような、荒々しくもダイナミックなサウンドの中から、嘆きと怒号と悲鳴を同時に吐き出すような猪股ヨウスケ(G・Vo)のささくれたヴォーカリゼーションがこっちの頭と心へダイレクトに飛び込んでくる。そのまま息つく間もなく“まちぼうけ”“ロストホープ”と曲を畳み掛け、会場の温度をぐんぐん上げていく。
「慣れない早起き、6時起き。きつい、眠い……でも、もう目も覚めました」と猪股。「神奈川県横須賀市から来ました、Dr.DOWNERっていう4人組です。住んでるのは逗子市です。逗子は今日は祭り……」という言葉をきっかけに、狂騒祭囃子のようなロックンロール・ビートを打ち鳴らす小石トモアキ(Dr)。「祭り気分でぶち破れ!」という猪股の絶叫から雪崩れ込んだのは“ユーウツ祭りスタイル”。《ロックンロールはいつも カッコばっかりつけやがるぜ》……苛立ちも違和感も戦慄の咆哮に変えながら、横浜アリーナの空気をびりびり震わせていく。  “ライジング”のゴリゴリのベース・サウンドでアンサンブルをでっかくうねらせるのは星野サトシ(B・Vo)。大きなステージを隅々まで練り歩き、「カモン、ケイちゃん!」の猪股のコールに導かれてハード・エッジでブルージーなギター・ソロを披露しながらステージ飛び降りてオーディエンスに迫るのは高橋"JUDI"ケイタ(G)。4人が一丸となってパワフルなビートの化身となって突進する“暴走列車”、ラストの“ドクターダウナーのテーマ”に至るまで、4人の1つ1つのプレイすべてを決定的瞬間と呼びたいくらいの圧巻の幕開けを、10回目の『NANO-MUGEN FES.』は迎えたのだった。

■7月15日

  • 01.さよならティーンエイジ
  • 02.まちぼうけ
  • 03.ロストホープ
  • 04.ユーウツ祭りスタイル
  • 05.ライジング(ギターソロ)
  • 06.暴走列車
  • 07.ドクターダウナーのテーマ
文/高橋智樹 | 写真/TEPPEI、古溪一道