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HARD-FI [UK]
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今やUK労働者階級のニュー・ヒーロー的ロック・アイコンとなったHard-Fi、『NANO-MUGEN』初参戦! 昨年までのアコースティック・テイストとは一転、この日はロック・モード全開! ハイウェイを時速300kmでかっ飛ばすような、“You And Me”のタイトな疾走感! アリーナの空気をざくざく切り裂く、“Gotta Reason”のリフ・ワーク! 早くもフロア一面ハンド・クラップ花盛り状態だ。
「ドモアリガト! アリガトゴザイマス」と軽く挨拶したリチャードが鍵盤ハーモニカを手にして、続く“Cash Machine”へ。憂鬱とメランコリーを抱きとめるような哀愁の旋律が、アリーナの空間に響き渡る。ギターのコードとシンセ・ブラス・サウンドが怒濤のように押し寄せる“Little Angel”! ピアノの響きと骨太なバンド・サウンドが響き合う新曲“Killer Sounds”!と畳み掛けた後に流れる、不穏な電子音のシーケンスと「ウォーオーオー」の図太いコーラス。“Suburban Knights”だ! そして、パンクの衝動がダーティーなビートに姿を変えた“Hard To Beat”! “Stars Of CCTV”で開場全体に再び湧き起こるハンド・クラップの嵐! 横浜アリーナに反骨と闘争の風が吹いた瞬間だった。

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2日目はトリ前に登場。「もうすぐ今年の『NANO-MUGEN』も終演……」という感傷を、“You And Me”の腰にクる骨太なビートで蹴っ飛ばしていくようなアグレッシヴなアクト! 悶えるように身体を震わせながら“Gotta Reason”を歌い上げるリチャードの熱気がフロアにハンドクラップの嵐を巻き起こしていく。続く新曲“Sweat”の、ダルなビートを突き抜けるように響く泣きのギター・ソロとリチャードの絶叫! 「サンキューベリマッチ!」と繰り返すリチャード。“Little Angel”の途中でベースがホワイト・ストライプス“Seven Nation Army”のフレーズを奏でたり、というお遊びもありつつ、“Killer Sounds”のピアノの響きとメロディアスなハモリが、確実にアリーナの空気を震わせていく。
さらに“Suburban Knights”“Hard To Beat”を畳み掛け、「楽しんでる? 俺らは楽しい! カンパイ!」と、そのまま“Stars Of CCTV”へ。最後は「フォーッ!」のコール&レスポンスを繰り広げながら“Living For The Weekend”へ突入。タフなビートがアリーナ狭しと跳ね回り、「アリガト! シー・ユー・スーン!」のリチャードの声を残して、彼らは意気揚々とステージを後にした。

■7月19日・20日
01.You & Me
02.GOTTA REASON
03.CASH MACHINE
04.SWEAT
05.LITTLE ANGEL
06.KILLER SOUNDS
07.SUBURBAN KNIGHTS
08.HARD TO BEAT
09.STARS OF CCTV
10.LIVING FOR THE WEEKEND

文/高橋智樹 | 写真/TEPPEI,中河原理英