Artist

オオルタイチ [JP]

report

「みなさんこんにちは、オオルタイチです!」という挨拶が鳴り響くよりも先に、オーディエンスの身も心もアリーナ丸ごとびりびり震わせるような轟音トラックで『NANO-MUGEN』を一気に自分の世界に塗り替えてしまった、大阪発・異色の即興的狂騒DJアーティスト=オオルタイチ。暗黒祭囃子のような切迫したビートに乗せて、ハンドマイクでぴょんぴょん飛び跳ねながらオオルタイチが歌い上げる“Beshaby”の狂騒感! 頭の中の焦燥感を片っ端から掻き集めて形にしたようなヴィジョンの映像とともに、観客1人1人の脳裏に渦巻く「?」を徐々に「!」に変えていく。そして、続く“Futurelina”では一転、ハード・テクノのようなスクエアなビートとともに、狂気の海の底から響くような歌を聴かせていた……かと思えば、絶叫とともにジャンプしながらフロアを煽っていく。「こんなたくさんの人の前でやるのは初めてなんで……僕の音楽は、あんまりノリ方がわかんなくても、しびれてるだけでオッケーなんで。自由です! どんな動き方をしても大丈夫なんで(笑)。楽しんでいきましょう!」という彼の言葉がフロアの緊張を解きほぐしたところへ、“Sononi”“Shiny Foot Square Dance”連射。攻撃的なトラックを全身に浴び、爆音に身を任せながら、まるで腕白少年のように腕を突き上げ飛び跳ね回り、楽しくて仕方がない!といった様子でアリーナの空気をかき混ぜていく図は、不思議なくらいの爽快感に満ちていた。「ありがとう! もういっちょいきます!」と重低音キックの集中砲火のような“Tiger Melt”の頃には、鼓膜のみならず全身の肌を震わせる彼の音像がもたらす危険な快楽が、アリーナ全体を侵食しきっていた。「最後はコンピに入ってる曲です。最後まで楽しんで帰ってや!」という言葉とともに鳴らしたのは、ありったけの多幸感に満ちたメロディアスなナンバー“Venus”。無数の蝶が舞う映像が奇妙な陶酔感を生み、やがてビートがサンバへ変わり、花火の映像とともにハンドウェーブを巻き起こす……白昼夢のような30分が、あっという間に過ぎていった。

■7月16日
  • 01. Beshaby
  • 02. Futurelina
  • 03. Sononi
  • 04. Shiny Foot Square Dance
  • 05. Tiger Melt
  • 06. Venus
文/高橋智樹 | 写真/TEPPEI