Artist

佐野元春 and The Hobo King Band [JP]

report

2日目もいよいよ後半に差し掛かり、The Hobo King Bandが叩き出すタイトなビートの中、赤いストラトを抱えて勢いよくロック・レジェンド=佐野元春が颯爽とステージに駆け込んでくる! まずは『NANO-MUGEN』への挨拶代わりに“ナポレオンフィッシュと泳ぐ日”を《冬の街》を《夏の街》にアレンジして披露し、♪ラララ〜のフレーズでのコーラスとクラップで巨大な空間を包んでみせたかと思うと、“99ブルース”のド迫力のサウンドとグルーヴでアリーナを震撼させる! 間髪入れずに“ニュー・エイジ”! そしてハンドマイクで歌い上げる“ヤング・フォーエバー”の強烈な疾走感! “ヤング・フォーエバー”以外はすべて80年代の楽曲で固めたセットリストで、後輩アーティストへのリスペクトを掲げるレジェンド。その謙虚で真摯なアティテュードには思わず背筋が伸びる。「素晴らしい友人を紹介します! ASIAN KUNG-FU GENERATION、ゴッチ!」という言葉とともに、ステージで固い握手を交わす佐野とゴッチ。そして、ゴッチとともに歌うのは“約束の橋”! 《君のためなら 七色の橋を作り 河を渡ろう》というアンセミックなフレーズを一緒に歌い上げる姿に、とめどない誇らしさが胸に込み上げてくるのがわかる。「とても光栄に思ってます。みなさんどうもありがとう! 20代の頃に書いた歌を歌います。知ってる人がいたら一緒に歌ってください」という佐野の紹介から流れ出したのは、あまりにも有名なピアノのイントロ……“SOMEDAY”だ。日本語のロックの可能性を切り開いてきた佐野元春が、若い世代のために、渾身の熱唱とブルースハープ・ソロを披露し、「イェーイ!」とフロアのシンガロングを誘う。ひときわ熱い拍手が広がったのは言うまでもない。そんな圧巻のステージを締め括ったラスト・ナンバーはなんとデビュー曲“アンジェリーナ”! 最高のロックンロールが、そして《今夜も愛をさがして》のフレーズに沸き上がるパワフルなクラップとシンガロングが、キャリアも時代も超えるロックの可能性を祝福するかのように高らかに響き渡っていた。

終わりかけてまたクラップを煽る佐野

何かと沈みがちな現在
みんなの力を借りて試したいことがある!
「愛する気持ちさえ分け合えればI love you!」「You love me!」
コール&レスポンスしながらビート加速!

■7月16日
  • 01.ナポレオンフィッシュと泳ぐ日
  • 02. 99ブルース
  • 03. ニュー・エイジ
  • 04. ヤング・フォーエバー
  • 05. 約束の橋(w/後藤氏)
  • 06. SOMEDAY
  • 07. アンジェリーナ
文/高橋智樹 | 写真/古溪一道