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FEEDER [UK]
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SEとともにゆっくりと舞台に登場したFEEDERの3人。そして、スロウなテンポを刻むハイハットのカウント。このテンポはもしや……?と思う間もなく、1曲目から横浜アリーナに流麗に響き渡るグラント&タカのファルセット! 名曲“Feeling A Moment”だ。驚きとともにオーディエンスの間に生まれた感激を一気にロックンロール・サイド・オブFEEDERの極致のような“Renegades”へ直結し、「ありがとう! 元気かみんな! 元気か! 本当なら『Are you ready?』とか言うところだけど、俺は日本人だし(笑)。行くぞー!」というタカ・ヒロセのMCを挟んで “Pushing The Senses”のヘヴィ&ハード・エッジな音像へ雪崩れ込む。序盤から出し惜しみなしの展開に、フロアの温度は上がる一方だ。
今年4月にリリースされたニュー・アルバム『Generation Freakshow』からの“Tiny Minds”は、2012年のこの時代にまったく新しいUKロックの王道を切り開こうとするかのようなヘヴィネスと晴れやかさに満ちていたし、ギターを抱えたゴッチを迎えてパワー・ポップ感全開で炸裂させてみせた“Insomnia”からは「今、ここ」で音楽を奏でることへの祝砲を自ら撃ち放っているようなダイナミズムと多幸感があふれていた。「練習1回やったぐらいにしては決まってたね(笑)。でも、本当に呼んでくれてありがとう!」と、ステージを去るゴッチを見送ってタカが語る。「俺、イギリス行って20年経つけど、たまに日本に帰ってくると『洋楽の人』ってなるのね。洋楽だろうと邦楽だろうと関係ないだろって思うんだけど。それをバンドレベルでやってるのが『NANO-MUGEN』だと思ってる」。ひときわ熱い拍手と歓声が広がっていく。
バラード・ナンバー“Just The Way I'm Feeling”の真摯なメロディ。地鳴りのようなディストーションとビートが横浜アリーナを揺さぶった“Buck Rogers”。再びゴッチを(今度はゲスト・ヴォーカルとして)ステージに呼び込んで披露したのはもちろん、『Generation Freakshow』日本盤のボーナス・トラック=“Idaho”日本語バージョン。そこから“Borders”に至る「FEEDER最新型」のドライブ感と超弩級の迫力! さらに、終盤には名曲ハード・バラード“High”を配し、“Generation Freakshow”から最後は“Just A Day”! まだトリ前ながら、会場中の熱気と歓喜を一斉に爆発させるようなエネルギッシュなサウンドをぶん回して、♪テュッテュルッテュ〜と高らかなシンガロングが巻き起こる中ーーFEEDERのステージは終了。熱いステージの余韻が、フィードバック・ノイズとともに、いつまでも胸に残って離れなかった。

■7月15日

  • 01. Feeling a Moment
  • 02. Renegades
  • 03. Pushing The Senses
  • 04. Tumble & Fall
  • 05. Oh My
  • 06. Tiny Minds
  • 07. Insomnia
  • 08. Just the Way I'm Feeling
  • 09. Buck Rogers
  • 10. Idaho
  • 11. Borders
  • 12. High
  • 13. Generation Freakshow
  • 14. Just A day
文/高橋智樹 | 写真/TEPPEI、古溪一道